量子化学・量子技術の基礎知識
名古屋大学における最新の量子技術研究
2025.02.27名古屋大学では、第2次量子革命を支える先端技術として、化学を応用した量子技術、量子ドット、医療診断技術の研究に取り組んでいます。
1. 化学を応用した量子技術:新材料と化学反応の革新
量子技術の分子レベルでの制御能力は、化学や材料科学の進展を加速させます。名古屋大学では、化学の視点から量子技術を活用し、高効率な触媒開発や新素材の探索に取り組んでいます。これにより、エネルギー効率の向上や環境負荷の低減を実現し、持続可能な製造技術の確立を目指しています。
2. 量子ドット:次世代の光・電子デバイス
量子ドットは、ナノサイズの半導体粒子で、特定の波長の光を吸収・発光する性質を持ちます。この特性を活かし、高効率な太陽電池、次世代ディスプレイ(量子ドットLED)、高感度バイオセンサーなどへの応用が期待されています。
名古屋大学では、環境負荷の少ない無害な金属元素を活用した多元量子ドットの開発を進めています。これにより、エコフレンドリーな電子機器や太陽電池、生体計測技術の実用化を目指しています。この研究は、持続可能で高性能な光・電子デバイスの創出につながり、次世代のエネルギー技術や医療分野にも大きな影響を与えると期待されています。
3. 医療診断技術としての量子技術
医療分野でも量子技術の応用が進んでいます。名古屋大学では、低毒性の量子ドットを用いた脳病態の可視化に関する研究を進めています。特に、脳の免疫細胞ミクログリアの機能を可視化する技術を開発し、アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患の診断・治療技術の向上を目指しています。これにより、脳疾患の早期診断や個別化治療の実現が期待されています。
名古屋大学は、これらの量子技術を産業界と連携しながら研究開発を加速させ、
社会実装に向けた取り組みを強化しています。